俳優の声

マイズナーテクニックやメソッドなどを訓練した俳優は、セリフが聞こえない・・・と言われることがある。そういう俳優がいることは私も知っている。

自分の感情などを重視しすぎるあまり、ちゃんとした声を出さない人もいる。

 

あえて言うが、それはマイズナーテクニックなどの練習方法の問題ではないと思う。

俳優にとって、それは映像だけしかやらない俳優にとっても・・・、発声・滑舌はそれだけでもきちんと学ばなければならない重要な課題だ。

映画しか見てないが、ロバート・デ・ニーロの声が聞き取りにくいと思ったことはない。

 

念願の西山水木さんボイストレーニングをやっと受けられた。

水木さんに薦められてレポートを書いたので、ここにアップさせていただきます。

声の問題に悩んでいる俳優さん、声優さんがいらっしゃったらぜひ参考にして頂けたら幸いです。

 

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西山水木さんボイスクラス第一回 2020 3/18

 

 

 

念願の水木さんボイスを受講!半年以上かかったぜい!

 

 

 

最初は声を出す筋肉についてを図解で説明。

 

声を出すための筋肉とはいわゆる「横隔膜」だけでなく、いや、横隔膜を動かすためにも骨盤底筋をはじめとして脊髄起立筋など多くの筋肉が連携して声を出す。

 

腹筋だけ鍛えればいい・・・というものではない。

 

俳優は「ずっとしゃべり続ける」「いきなり大きな声を出す」「寒いロケ地で声を出す」など、通常会話だけできればいいというものではないので、声が出る仕組みを知って体からトレーニングすべき。「声」は体が出す。筋トレは必要。

 

ラジオ体操は素晴らしいボイトレ筋トレだそうだ。声を出す筋肉をまんべんなく動かせる。また背骨を波にように動かす「波運動」。これも効率的。

 

また、声モノマネは非常に有効ということ。

 

声でモノマネをすれば筋肉の「同調感覚」が作動して、その音の出し方を覚えていくということ。

 

 

 

私の若い時は「歌」の先生でボイストレーニングしてきた。当時はそれが当たり前だった。だが、水木さんのように「セリフ」を使ってボイトレしていくということは、「表現」に直結した声が作れると思った。普段の自分の癖で、どこの筋肉が弱いのか使い方が悪いのか・・・などがよくわかる。

 

 

 

滑舌について

 

これも「背骨でしゃべる」など、やはり体を使うことが基本のということ。

 

よく言われる「母音法」についての話があった。

 

これは劇団四季が採用した方法としてよく知られている。

 

日本語は母音と子音の組み合わせで出来ているので、言葉をすべて母音に直してしゃべることで滑舌をよくする。これは間違いない。私も高校生の頃、みんな四季にあこがれていて遊びのように普段の会話を全部母音でやっていた。本当に子供の頃遊びでやったものってしっかり体に見についている。いまでも何かペラっと文章を渡されてもほとんどすぐに母音に変えられる。

 

遊びのように・・・これが本当の「芝居の稽古」なのだろう。Don’t forget!「遊び心」

 

だがこの劇団四季流の「母音法」には一つ問題があって、ただ機械的にやっても変な日本語になる・・・ということだ。それが芝居のリアリティを無くしてしまうので否定する人もいる。

 

このことは滑舌の問題ではないかもしれない。

 

日本語は一音一音区切っては日本語に聞こえない。一文節リエゾンするように発音しなくては日本語の意味が通らない。

 

例えば「青い空が美しい」という言葉があったとして、「あ お い そ ら・・・」と素晴らしく明確にしゃべれても、まるでAIのようになる・・・ということ。

 

「青い空が美しい」だと2文節。「あ お い そ ら・・・」ではなく、「青い空」なのだ。

 

また、「青い空」という言葉にイメージやそれに付随する感情がある。「美しい」と来ているのだから、雲一つない・・・とか、そんなイメージか。そしてそれを見ている自分のそういう空を見ている何かしらの感情。それをひっくるめて人間は言葉を発する。

 

 

 

それをきちんと水木さんに説明してもらった凄く納得がいった。これをちゃんと理解していれば「母音法」は素晴らしい方法だ。現場で使おう!っと!

 

 

 

最後のエクササイズ

 

今回の最後は「声のレッスン」というペーパーを少しやった。

 

「明るい声」「暗い声」「大きな声」「小さな声」などが書かれていて、その指示に従った声を出す・・・というもの。

 

これは一人一人やっていって、水木さんが声を聴いて、一人一人にアドバイスしていく。

 

ある人は「明るい声」が明るく聞こえない。それをどうしたら「明るい」声が出せるか、水木さんの調整にしたがってやっていく。どこを響かせたらいいか・・・とか、どこの筋肉が使えてないからそれを使って・・・とか、どこを開けて・・・とか。

 

私はマイズナーをやっていて、それは人間の感情、つまり「インナー」と言われるものから演技をアプローチしていく。たった数分の「声を出す」練習とインナーは直結している。「明るい声」に指摘を受けた俳優さんはやはり「開ける」ということが苦手な人だった。

 

そして私は・・・。「暗い声」の「ら」に明るさが残る・・・ということ。

 

これは、私が「陽気で、前向きで、明るい」性格であるといったことではない。私の芝居の癖だ。「力で押す」「言葉の最初にエネルギーをたくさん出してしまって、尻切れトンボになってしまいがち」という・・・。

 

たった一言ですべてバレてしまう・・・。言葉ってスゴイ!

 

 

 

また、それを見抜く水木さん、凄かった。

 

なんでも歯医者さんと筋肉友達で、声を出すところの図解などもその歯医者さんから教えてもらったりしているそうだ。矢沢永吉のライブ映像を見ながら「すごいね~、この胸鎖乳突筋!声が出るわけだね~」とか言い合っているらしい・・・、

 

オタク度マックス!!!! ついていけるかしらん・・・()

 

 

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