武正晴監督WSが終わりました。
いやー、すさまじかった!
たった2日だったが、一季節過ぎ去ったかのようだった。
まず、初日の初めましての挨拶の直後、開口一発「最近は、関係者と飲んでいたりして、終電で帰ろうとするやつが、信じられない」という話から始まった。
この話は、もちろん監督や演出家、先輩俳優さんからよく聞く話だ。特に私世代は若いころ本当にそうだったから・・・。
だが、これが、よく聞く話で終わらないことはこの8時間あまり後、わかることとなる。
弾丸のごとく、シーンが続く。
「みんな腹減った? 僕は減ってない。大丈夫だ」
「セリフ入ってない? ダメ! 〇〇役、交代。誰か出て!」
「もうだめ、さっき出来たのになぜ出来なくなった? 無理だ。交代!」
もう、笑うしかない。
「みんな、疲れた? 僕は疲れてない。」
ほとんど、休み時間もなく気が付いたら夜11:30過ぎ。
「さすがに、終電で帰りたいよね。」
いやいや、都内でない人は帰れない!っちゅーねん(笑)。
こんな2日間だった。
台本は新藤兼人さんの名作「しとやかな獣」
2日間で、この台本の半分近くを網羅する分量。
もちろん、監督もおっしゃってくださっていたが、現実的にはセリフを入れるだけでも相当覚悟のいるメニュー。
もちろん、みんなそれぞれに覚えてきている。だが、次々繰り出される監督の要求に、身体は固まる、台詞はぶっ飛ぶ・・・!
でも「こんなの無理なんだ。無理に決まってる。でも、世の中にはそれをやってのけるスゴイ奴がいるんだ」
現場感満載!
だが、優しい方だ・・・と思った。
いや、私に・・・とか、私たちに・・・とかではない。
人間の根本、映画に、優しい方だ・・・と。
現場・・・と言ったが、どの現場もみんな時間が十分ある現場など、お目にかかったことはない。
ハリウッドでは、7週間のリハーサルができる現場もあるらしいが、そんなこと夢のまた夢。
今回、監督がやって下さった通り「無理」を「無理」でなくするまで自分を鍛えないと、生き残っていけないということが現実だ。
やると決めたなら、常に常に、そこを目指し、自分を甘やかさず、やり続ける。
監督はおっしゃった。
「10年とか、20年とかに一回、来るんだよ。『これ、私だ』っていう役が。それまで続けられるかどうか」
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