2019、最初のディレクターワークショップを谷賢一君が引き受けてくださいました。
知り合って、一回り!
久々にこのような時間が持てて幸せでした。
さてさて、今回はスタニスラフスキーが後期どのような考えを持っていたか・・・!
からワークショップが始まりました。
「大学と途中の留学一年、併せて5年もスタニスラフスキーを勉強したらしゃべりたくもなるんですよ」と。
スタさんは晩年、「行動」することによって「感情」が表現できるという理論になっていったそうな。
「悲しい」を表現しようとして、自分は本当にとっても悲しくても黙って座っているだけで誰かに「悲しさ」は伝わるか?いや伝わらない。「悲しい」から泣く・・・とか、「悲しい」から暴れる・・・とか、行動を起こすことで「悲しみ」を表すことができる、と。
逆を言えば、「行動」を起こすことで「感情」も引き起こされてくる・・・と。
さすがにこういう話は何度も聞いている。
だけど、2日間という短い時間で、台本の短いシーンを使って、身体で練習できるというのは素晴らしい体験だった。
やっぱり役者はやってみてなんぼだよね!
谷氏の説明は続く。
役者が、役のキャラクター(その役の人物はどんな人間なのか)や役の背景(その役の人物にどんなことがあったのか)を読み取り、「もし自分がその人だったら・・・」と気持ちを感じていく・・・。
これは現代演劇において、もはや常識。こういう考えをしない人はいないくらいだ、と。
だが、今回は、「行動」することから何が起こるか、どんな感情が起こるか、どう反応するか、をやってみよう・・・と。
特に私の世代は、「形」の演技から「本当に感じる」ことが重要視された世代。
わかりやすく言えば、涙がでない「泣き」は「カッコ悪い」のだ。
どうやってでも、ト書きに「泣く」と書いてあったら涙を流せるようにする! それができる役者に拍手!・・・みたいな。
当時「私、子供のころ飼っていた犬のタロウが死んだことを思い出すといつでも涙が出るんです」というセリフがギャグのように言われていた、ホントに。
それは今でも俳優の中に巣くっている。
どうしても「気持ちを作る」ということに重きを置きがちだ。
置きがち…だけならまだいいが、それに縛り付けられる。
今回、かなりの覚悟で「気持ちを作る」ことを封印して、「行動」すること、相手・小道具から影響を受けることに専念してみた。
「ここで『泣く』」みたいなことを期待しない。手放す。
言うは易し。実際にやってみるととても勇気がいる。
すごく面白い体感だった。
とても滑らかにシーンが進んでいく。
そして、ホントに予定しないところから思ってもいない「感情」が訪れる。
「感情」に縛り付けられない境地が、ちょっと見えてきた感じ。
演出家・谷賢一氏の説明。
「それを見つけ出したら、丁寧にその行動を繰り返すことによって確かなものになり、毎回その芝居ができるよになる」
きっと、今後の自分の演技にも、演技指導にも大きく影響がありそうな、いい予感!!!
昨年の年末、「複数のシーンクラス」も私自身それに近いアプローチをしていたはずだ。
ここ数年やってきたことが、だんだん一つにまとまって、私の中で形になっていく感覚が起こってきました!
谷君、お忙しい中、ホントにありがとうございました!
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